その他作品 星空の君 2 ビールとツマミと星空と 関西国際空港から、石垣島への直行便に乗って約三時間。眼下に、すさまじい蒼色の海が広がる。「うっひゃぁ……」二度目とはいえ、やはり美しい。思わず感嘆の声をもらしてしまう。「なあ、トミーよぉ……」「あん?」「この海全部、作り物だったら怖いよな」... 2019.05.10 その他作品
その他作品 星空の君 1 旅に出よう 「うがぁぁぁぁっ!!」「どうした? トミー?」「…………いや、スマン、ウッチー。ちょっと切れそうになったんだ」「ふっふっふ、煮詰まってるな?」「ああ、メチャクチャにな…………」電話口で突然叫ぶ俺に、友人が苦笑いで返す。いつもの電話でのヨタ話... 2019.05.10 その他作品
その他作品 星空の君 0 天の蓋 満天の星空を見たことがありますかじいっと見つめていると まるで闇色に 無数の輝きをちりばめたそんな布に すっぽりと包まれるような不思議な気分になるのです『降ってきそうだ』『手が届きそうだ』このセリフは 全くのほんとうなんだなと噛みしめるよう... 2019.05.10 その他作品
SF(少し・不条理) みしっ ~ザ・グレイト・スパンキング・ショウ ……私はいったい、どうしてしまったのだろうか。……何の目的で、何の理由で、ここにこうしているのだろう。……動けない。……手も、足も、頭も、腰も、微動だにしない。……力はこもる。でも、動けない。……目の前に広がるのは、一面の闇。……灯りを消し... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 5 教祖と逮捕と公開処刑 がちゃっ扉を開けて部屋へ入った僕を、たくさんの黄色い悲鳴が迎えた。「あぁあっ! 生マラ様ァッ!!」「生マラ様よォォォッ!」そこにいるのは、たくさんの裸の女性達。もちろん、若い上に容姿端麗だ。すがりつこうとするところを手で鷹揚に制しながら、僕... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 4 据え膳食わぬは……? がちゃっ……僕は、その部屋のドアを開けた。薄暗く照明を落とした部屋に、彼女は、いた。「…………」ベッドの上に、並んで座る。シーツとは違う白さをもった細い指が、ぼんわりと浮かび上がる。「あっ……」重ねた手に上がる、小さな声。少し冷たい。僕は言... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 3 奇妙な依頼 「……そんな、急に言われても……」「でしょうね。けど、唐突は承知の上よ」「うー…………ん…………」僕は、その『お願い』を聞いて、困惑という文字が目に見えるぐらいに顔をしかめた。この世界では、さっき聞いた通り、男は、一定の範囲内でペニスをテレ... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 2 パラレルワールドへいらっしゃい! 「ちっくしょう……せっかくおいしい思いができると思ったのになあ……」結局、さっきまでの生唾は、苦虫のエサにしかならなかった。僕は親の仇のようにその虫どもをかみ砕きながら、会社までの道を歩いていた。やれやれ、今日も無遅刻無欠勤記録更新だ……そ... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 1 『あのドア』の先は? 僕は、そのドアの前で冷や汗を浮かべていた。濃いピンクに塗られて、格子のへこみが装飾としてある、洋風のドアだ。「ごくっ……」生唾を飲み込む。後ろ髪からしたたった汗が、ワイシャツの襟にこぼれる。僕はなかなか動けない。ただでさえない時間が、いたず... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) ぶわっ 7 お約束の風景 (がくん!)「おわぁっ!?」僕は、階段を踏み外したような感覚で我に返った。びくり、と体が震え、音を立ててテーブルの上の物が揺れる。おっと、危ない、危ない…。慌てて体制を整え、辺りを見渡した。どうやら、くつろぎすぎてうたた寝していたようだった... 2019.05.09 SF(少し・不条理)