掌編

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非18禁作品

ヨタ話のTPO

「なあ、トミー。タバコくれ」 「あいよ」 かたわらからの声に応じて、俺はオイルライターと共にタバコの箱を、隣に座る奴……ウッチーに渡した。 「火」 「おまえなあ……」 いつものこととは言え、そしてそれが悪意などみじんもないのは分かってはいて...
非18禁作品

稲穂

……秋の涼しい風が吹いておりました。 暑くもなく、寒くもなく、無造作に羽織った麻混のジャケットを優しく通って身体に香るような、そんな風の吹く平日の昼下がり。私は、バス停にたたずんで、ぼんやりバスを待っておりました。 そのころ私は失業中で、三...
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雪の降る朝

男が一人、家の中で作業に没頭していた。 その家は、狭くはなかったが、中は、嵐にでも遭ったかのように散乱していた。 散らかっているものは、機械の部品、設計図、書物など。うず高く、という表現がよく似合い、その上には、うっすらとほこりまで被ってい...
非18禁作品

隣人

その日も同じ一日だった。 中途半端な時間に起きての、朝食兼昼食。一通りの身繕いを終えて、着替え。それが終われば、特にやることがない。いや、やることは山積みのはずだが、どうにもやる気が起きないのだ。何気なく端末の電源を入れ、ネットワークを覗い...
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常連の会話

自由な時間のあるときはお金がなくて、定収入ができると暇のなくなるのが世の常。かくいう僕も、例外ではない。おかげで、楽しみの一つが減ってしまった。喫茶店通いだ。最寄り駅の大通りを一つ横にそれたところに、その店はある。だがしかし、別にその店が特...
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