ぶくぶくぶく…………
「(! ……んーー!! んーーーーッッ!!)」
「ぶはぁぁぁっ!!!!」
鼻と口からたっぷりお湯を飲んで、僕は我に返った。くそう、これだけ飲めば、胃腸も健康になるよ。やれやれ。
どうやらのぼせて、湯船につんのめったようだった。
ぶるぶると頭を振り、視界を取り戻す。
「あれ? 変に静かだなぁ……」
そこで初めて、僕は周りの変化に気づいた。
誰もいない。あれだけたくさんの人がいたのに、今は自分一人だ。
ドア越しに聞こえる脱衣場の喧噪も、ぱったりと止んでいる。
聞こえるのは、お湯がわき出る、ザバザバと言う音だけだった……。
おわらない。