光かがやく天使のしずく 釣りキチ日誌~立ちション講座特別編・秋期臨海学習 2 昼ちょっと前までに、俺とゆーきは各一匹ずつ釣果を追加した。一匹目と同じく、俺はメバル、ゆーきはアイナメだった。諏訪さんはというと、カレイとキスを一匹ずつ。両方とも砂地の海底に住む代表的な魚だということらしい。この釣果が多いのか少ないのか、ビ... 2019.05.10 光かがやく天使のしずく秋期臨海学習
やみのおり 聞こえる声 6 6. 外からの声 その日の夜。わたしは宿題を済ませるべく、机に向かっていた。 「………」 でも、手に持ったシャーペンは、トントントン……とノートに斑点を増やしていくだけで、解くべき問題は一向に頭に入ってこなかった。 食事は... 2019.05.10 やみのおり聞こえる声
やみのおり 聞こえる声 4 4. 声なき声 結局、泣きながら後始末をして、その後、わたしは本当に寝込んでしまった。何も考えたくなかった。ただ、自分を責めさいなむ声だけが、延々と響いていた。 『自分の中から本当に痛い言葉は出てこない。本当に自分に痛い言葉を... 2019.05.10 やみのおり聞こえる声
やみのおり 聞こえる声 3 3.探す声 次の日。わたしは学校を休んで、部屋にこもっていた。 滅多に体調を崩さないわたしだから、母さんはとても心配して、「パートを休んで家にいようか?」と言ってくれた。でもわたしは、「そこまでしてもらわなくていいよ」と断って... 2019.05.10 やみのおり聞こえる声
その他作品 ファイナル・クエスト 2 2.魔女の憂鬱 「あーあ、暇だなぁ……」 石造りの巨大な城の中、同じく巨大な窓際に腰掛けて、つぶやく人影があった。 窓からは、だだっ広い野原と、森しか見えない。野原に生える草はみんな同じだし、森を成す木は、全て同じ... 2019.05.10 その他作品ファイナル・クエスト
ニセ児童文学叢書 魔法の言葉と薬の話(続・看板娘) その日の昼下がり、設楽絵美ちゃんは、うきうきとした足取りで廊下を歩いていました。でも、他の教室は授業中でしたので、あまり浮かれたそぶりは見せられないのですが、出来ればスキップしたいぐらいの気持ちで、歩を進めていました。 「んー……そーろそ... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書看板娘_2
ニセ児童文学叢書 緊急避難と再利用 「んむむむむむむぅ……」 白瀬 知美(しらせ ともみ)ちゃんは、顔を真っ赤にしてうなっていました。電車の中で数十分間、とんでもない我慢を強いられていたからです。 状況はいたって単純。電車が、めちゃくちゃに混み合っているのです。すし詰めも... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書緊急避難と…
たちにょは… たちにょは人のためならず? 「調査は進んでいるか?」 「はっ……行為と結果の因果関係は判明しましたが、阻止方法まではまだ……」 ごく限られた生徒しか知ることのない秘密の会議室。数人のメンバーが深刻そのものの顔つきで会議を行っていました。議長らしき男が続けます。 ... 2019.05.10 たちにょは…ニセ児童文学叢書
うらめしあずき うらめしあずき 5 「…あれ?」 気がつくと、曽宗さんは保健室のベッドに横たわっていました。 ちゃんと、制服も着ています。確か、プールで…… 「よう、おはようさん。よく寝てたな」 その時、横から声がしました。振り向くと、隣のベッドでくつろいでいる緒茂さ... 2019.05.10 うらめしあずきニセ児童文学叢書
うらめしあずき うらめしあずき 4 プールサイドから、10メートルほど離れました。ほんの少しですが、みんなのざわめきが遠くに聞こえます。 曽宗さんと緒茂さんは、御司留さんの片腕ずつを持ってわざとゆっくり…いえ、ほとんど足踏みに近い早さで歩きます。 「はあっ…ア……ァンッ…... 2019.05.10 うらめしあずきニセ児童文学叢書