お題でGO! カタブツ女教師と、侠気(おとこぎ)番長 ここは、ある高校の、二年D組のクラス内。 教室内には、ざっくりと四十人ほどの男女の生徒がいるのですが、四時間目を前に、どの生徒も揃って、とても憂鬱な顔をしていました。 「はぁっ……」 男子の誰かが、重い溜息を付きました。それはあっという間... 2021.12.01 お題でGO!
お題でGO! 三ツ角(みつつの)鬼娘の力競べ これは、昔々のお話。いえ、もしかしたら今かもしれませんし、少し未来の話かもしれません。 ある山間の村には、数年に一度ぐらいに、少し不思議な出来事が起こるのが常でした。 それは、『鬼の子』が産まれることです。そもそもをさかのぼれば、ある一人... 2021.11.21 お題でGO!
光かがやく天使のしずく 釣りキチ日誌~立ちション講座特別編・秋期臨海学習 2 ゆーき、失敗する。そして? 昼ちょっと前までに、俺とゆーきは各一匹ずつ釣果を追加した。一匹目と同じく、俺はメバル、ゆーきはアイナメだった。諏訪さんはというと、カレイとキスを一匹ずつ。両方とも砂地の海底に住む代表的な魚だということらしい。この釣果が多いのか少ないのか、ビ... 2019.05.10 光かがやく天使のしずく
その他作品 耳だけ芳ちゃん ――その日も、お芳ちゃんは、ちょっぴり長めのおかっぱ髪を一生懸命振りながら、『いつもの場所』に向かっていました。 時間も、いつも同じ。両親が寝静まった真夜中、こっそり調べて探り出した家の合い鍵を持って、扉をくぐるまではゆっくりと、でも、一度... 2019.05.10 その他作品
その他作品 星空の君 5 降ってきた星空 誰もいない砂浜に、人影が一つ。俺は砂に足を取られつつ、近づいていった。 女の子だ。……ん? この娘……そうだ! 昼間にサトウキビをくれた娘だ! 偶然だな。ちょうどいい。昼間はお礼が言えなかったから、ちゃんと言っておこう。 「こんばんわ」 俺... 2019.05.10 その他作品
その他作品 星空の君 3 唐突な光景 「んー……なんか、遠近感が変になりそうだぜ……」 ツマミを取りがてら、俺がむくりと起きあがったときだ。 ほとんど真っ暗な視界に、人影が見えた気がした。 「ん? おい……あそこ、誰かいないか?」 俺は目を凝らし、遠くを指さした。確かに誰かいる... 2019.05.10 その他作品
ニセ児童文学叢書 魔法の言葉と薬の話(続・看板娘) その日の昼下がり、設楽絵美ちゃんは、うきうきとした足取りで廊下を歩いていました。でも、他の教室は授業中でしたので、あまり浮かれたそぶりは見せられないのですが、出来ればスキップしたいぐらいの気持ちで、歩を進めていました。 「んー……そーろそろ... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
ニセ児童文学叢書 看板娘の終わらない一日 「……どう? 絵実ちゃん……?」 「もーちょい前」 「このぐらい?」 「気持ち後ろ」 「……んっと……?」 「はあい、オッケ」 早朝の女子トイレ。相模 鏡子(さがみ きょうこ)ちゃんは、壁に手をついてお尻を突き出し、設楽 絵実(したら えみ... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
ニセ児童文学叢書 緊急避難と再利用 「んむむむむむむぅ……」 白瀬 知美(しらせ ともみ)ちゃんは、顔を真っ赤にしてうなっていました。電車の中で数十分間、とんでもない我慢を強いられていたからです。 状況はいたって単純。電車が、めちゃくちゃに混み合っているのです。すし詰めもすし... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
ニセ児童文学叢書 たちにょは人のためならず? 「調査は進んでいるか?」 「はっ……行為と結果の因果関係は判明しましたが、阻止方法まではまだ……」 ごく限られた生徒しか知ることのない秘密の会議室。数人のメンバーが深刻そのものの顔つきで会議を行っていました。議長らしき男が続けます。 「我々... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書