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ファイナル・クエスト 4 勇者たちの憂鬱

「はぁ……はぁ……ふぅ……あれ?」 どのぐらい走っただろうか、もう走れない。しばらく歩こうとタダシが思ったときだ。いつものそよ風に乗って、人のざわめきが聞こえた気がした。 「人の声……まさか?」 それまでの疲れも忘れ、再び駆け出す。す...
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ファイナル・クエスト 3 『新婚生活』の憂鬱

そして、月日が流れた。クリープはタダシを、奴隷のようにこき使った……かというと、そうでもない。掃除洗濯などの雑用はさせたが、どちらかというと、遊び相手、そして夜伽―変な意味はなく、文字どおり、寝床での話し相手、そして添い寝である―の方が主で...
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ファイナル・クエスト 2 魔女の憂鬱

「あーあ、暇だなぁ……」 石造りの巨大な城の中、同じく巨大な窓際に腰掛けて、つぶやく人影があった。 窓からは、だだっ広い野原と、森しか見えない。野原に生える草はみんな同じだし、森を成す木は、全て同じ背格好だ。単調な景色である。 「...
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ファイナル・クエスト 1 プログラマーの憂鬱

「ふわぁぁぁ……」 アゴが外れんばかりのあくびをして、タダシは座ったままのびをした。ぽきぽきぽき……と、体中の関節が音を立てる。 低い唸り声を上げて点滅している眼前のモニターには、プログラミング言語がのたくっている。こぎれいだったシステ...
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柔らかな殺意 11 旅立ち

「課長、ちょっとお話があるんですけども、お時間、いただけますでしょうか?」 週明けの定時後。優人は課長の席へ行った。 「うん? いいけど……今でいいの? 何だったら、これからどこか外でも良いのよ」 「いえ。結構です」 「そう……じゃ...
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柔らかな殺意 10 記憶

街路樹の囁きが聞こえる、穏やかな春の日。私は、足取りも軽く、あの屋敷へ向かっていた。新聞のアルバイト情報欄で、『メイド募集』の記事を見たからだ。『誰かのために尽くせる』それが、私には何より嬉しかった。 私は、兄さんの喜ぶ顔を思い浮かべなが...
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柔らかな殺意 9 襲撃

「!!」 散らしていた意識を瞬時にかき集め、立てかけていた『常世渡り』を握る。 『扉の外だ。私たちがここにいるのは解っているようだが……そのまま動かん。妙だな……。どうする? 先手を打つか?』 束を伝わって、緊迫した声が頭に響く。 ...
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柔らかな殺意 8 約束

……静は目を開けた。 打ちっ放しのコンクリート、チリチリと瞬く蛍光灯。パイプベッド、緩められた服……。そんなことは全く意に介さない。顔を巡らせる。―傍らに『彼』が座っている。さっき聞いた、『彼』の去り際の言葉が、頭にこだまする。何度も、何...
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柔らかな殺意 7 夢

静をしっかりと抱きしめ、暖かさを確かめる。やげて、大きく視界が歪み、真っ白になっていく。……次の瞬間、二人は、下水道の中、自分たちが出てきた43番出口近くの通路に居た。 「助かりましたよ……。長年あなたを使ってますが、まさかこんな力がある...
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柔らかな殺意 6 翁(おきな)

『黒澤様』 屋敷内の奥まった一室。闇色の光の中、淡々とした声が響く。 「……なんだ?」 その声に、先ほどまで眠っていた老人が、ゆったりと目を覚ます。 『お客様が、お見えです』 先ほどと同じく、合成されたような声が返ってくる。 「...
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