ニセ児童文学叢書 うらめしあずき 2 催淫剤・兼・利尿剤の効果は? 「…でも、どうするの?」 「こんな物がある」 気を取り直して訊ねる曽宗さんに、緒茂さんは一つのカプセルを取り出しました。 「なにそれ?」 「利尿作用付きの、催淫剤さ」 「さい…いんざい…?」 曽宗さんには、全くぴんときません。 「あー…そう... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
ニセ児童文学叢書 うらめしあずき 1 最悪の席替え 席替えのくじの中身を見たとき、曽宗さんはがく然としました。 自分の引いたくじと、番号との対応を示す黒板の文字、それから新しい席の周りの人の名前を見て…やっぱり、唇を噛むほかないようでした。 「曽宗さん、何番?」 「42番よ!」 吐き捨てるよ... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
ニセ児童文学叢書 なつみちゃんのプール 「……このXが……だから……Yは……やって出せるのであって……」 (じーわ、じーわ、じーわ……) 先生の授業の声よりも、セミの声の方が、よく聞こえます。外はどんどん暑くなっていて、教室のみんなも、朝からもうぐったりしていました。窓の外に目を... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
ニセ児童文学叢書 秘密の体育館 「ゆきのちゃーん……遅れてごめん……! あたし、来たよぉ……! ゆきのちゃーん……」 放課後の体育館。ちーこちゃんは、自分を呼びだしたクラスメイトの名前を呼んでいました。 「あれぇ……?」 体育館には誰もいません。しん……と静まり返った、だ... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
ニセ児童文学叢書 まりこちゃん(仮名)跳び箱で大失敗をするの巻 (ぴっ!) (たったったったっ……ばんっ! たーん……) (ぴっ!) (たったったったっ……ばんっ! たーん……) 今日は雨が降っているので、まりこちゃん(仮名)のクラスの体育の授業は、体育館です。今日のメインは跳び箱。みんなで重たい跳び箱... 2019.05.10 ニセ児童文学叢書
SF(少し・不条理) みしっ ~ザ・グレイト・スパンキング・ショウ ……私はいったい、どうしてしまったのだろうか。 ……何の目的で、何の理由で、ここにこうしているのだろう。 ……動けない。 ……手も、足も、頭も、腰も、微動だにしない。 ……力はこもる。でも、動けない。 ……目の前に広がるのは、一面の闇。 …... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 5 教祖と逮捕と公開処刑 がちゃっ 扉を開けて部屋へ入った僕を、たくさんの黄色い悲鳴が迎えた。 「あぁあっ! 生マラ様ァッ!!」 「生マラ様よォォォッ!」 そこにいるのは、たくさんの裸の女性達。もちろん、若い上に容姿端麗だ。 すがりつこうとするところを手で鷹揚に制し... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 4 据え膳食わぬは……? がちゃっ…… 僕は、その部屋のドアを開けた。 薄暗く照明を落とした部屋に、彼女は、いた。 「…………」 ベッドの上に、並んで座る。 シーツとは違う白さをもった細い指が、ぼんわりと浮かび上がる。 「あっ……」 重ねた手に上がる、小さな声。少し... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 3 奇妙な依頼 「……そんな、急に言われても……」 「でしょうね。けど、唐突は承知の上よ」 「うー…………ん…………」 僕は、その『お願い』を聞いて、困惑という文字が目に見えるぐらいに顔をしかめた。 この世界では、さっき聞いた通り、男は、一定の範囲内でペニ... 2019.05.09 SF(少し・不条理)
SF(少し・不条理) がちゃっ 2 パラレルワールドへいらっしゃい! 「ちっくしょう……せっかくおいしい思いができると思ったのになあ……」 結局、さっきまでの生唾は、苦虫のエサにしかならなかった。僕は親の仇のようにその虫どもをかみ砕きながら、会社までの道を歩いていた。やれやれ、今日も無遅刻無欠勤記録更新だ……... 2019.05.09 SF(少し・不条理)