その他作品 ファイナル・クエスト 5 押し込められた憂鬱 「はぁ……」何度目のため息だろう。クリープは、城の窓から外を見ていた。あいつが居なくなった。ずっと待ってても、帰ってこない。もう、これっきりなんだろうか……?「ふふっ……ばかばかしい……な」相変わらず、突き抜けるように真っ青な空に語りかける... 2019.05.10 その他作品
その他作品 ファイナル・クエスト 4 勇者たちの憂鬱 「はぁ……はぁ……ふぅ……あれ?」どのぐらい走っただろうか、もう走れない。しばらく歩こうとタダシが思ったときだ。いつものそよ風に乗って、人のざわめきが聞こえた気がした。「人の声……まさか?」それまでの疲れも忘れ、再び駆け出す。すると、そこに... 2019.05.10 その他作品
その他作品 ファイナル・クエスト 3 『新婚生活』の憂鬱 そして、月日が流れた。クリープはタダシを、奴隷のようにこき使った……かというと、そうでもない。掃除洗濯などの雑用はさせたが、どちらかというと、遊び相手、そして夜伽―変な意味はなく、文字どおり、寝床での話し相手、そして添い寝である―の方が主で... 2019.05.10 その他作品
その他作品 ファイナル・クエスト 2 魔女の憂鬱 「あーあ、暇だなぁ……」石造りの巨大な城の中、同じく巨大な窓際に腰掛けて、つぶやく人影があった。窓からは、だだっ広い野原と、森しか見えない。野原に生える草はみんな同じだし、森を成す木は、全て同じ背格好だ。単調な景色である。「モンスターをから... 2019.05.10 その他作品
その他作品 ファイナル・クエスト 1 プログラマーの憂鬱 「ふわぁぁぁ……」アゴが外れんばかりのあくびをして、タダシは座ったままのびをした。ぽきぽきぽき……と、体中の関節が音を立てる。低い唸り声を上げて点滅している眼前のモニターには、プログラミング言語がのたくっている。こぎれいだったシステムデスク... 2019.05.10 その他作品
その他作品 柔らかな殺意 11 旅立ち 「課長、ちょっとお話があるんですけども、お時間、いただけますでしょうか?」週明けの定時後。優人は課長の席へ行った。「うん? いいけど……今でいいの? 何だったら、これからどこか外でも良いのよ」「いえ。結構です」「そう……じゃ、応接間へ行きま... 2019.05.10 その他作品
その他作品 柔らかな殺意 10 記憶 街路樹の囁きが聞こえる、穏やかな春の日。私は、足取りも軽く、あの屋敷へ向かっていた。新聞のアルバイト情報欄で、『メイド募集』の記事を見たからだ。『誰かのために尽くせる』それが、私には何より嬉しかった。私は、兄さんの喜ぶ顔を思い浮かべながら、... 2019.05.10 その他作品
その他作品 柔らかな殺意 9 襲撃 「!!」散らしていた意識を瞬時にかき集め、立てかけていた『常世渡り』を握る。『扉の外だ。私たちがここにいるのは解っているようだが……そのまま動かん。妙だな……。どうする? 先手を打つか?』束を伝わって、緊迫した声が頭に響く。「当然です。この... 2019.05.10 その他作品
その他作品 柔らかな殺意 8 約束 ……静は目を開けた。打ちっ放しのコンクリート、チリチリと瞬く蛍光灯。パイプベッド、緩められた服……。そんなことは全く意に介さない。顔を巡らせる。―傍らに『彼』が座っている。さっき聞いた、『彼』の去り際の言葉が、頭にこだまする。何度も、何度も... 2019.05.10 その他作品
その他作品 柔らかな殺意 7 夢 静をしっかりと抱きしめ、暖かさを確かめる。やげて、大きく視界が歪み、真っ白になっていく。……次の瞬間、二人は、下水道の中、自分たちが出てきた43番出口近くの通路に居た。「助かりましたよ……。長年あなたを使ってますが、まさかこんな力があるなん... 2019.05.10 その他作品