幻影

やみのおり

幻影 4

4.再び校門にて  何度目かの、太陽が激しく照りつける時期がやってきた。 日差しは地面に陽炎を作り、景色を歪ませる。 しかし、それが『夏』という季節であることを認識する物は、もう、いない。  一瞬の『光』が、...
やみのおり

幻影 3

3.愕然  その日は、何故か逃げるように家に帰ったのを覚えている。別に女子トイレを覗いたわけでもなく、特にやましいことは無いはずなのに、家まで全速力で走って帰った。 それは……そう。『見てはいけない物を見てしまった恐怖』と...
やみのおり

幻影 2

2.確信  次の日。やっぱり昨日のこともあって、彼女のことが気になりだした。 僕と彼女の席は離れていたけど、僕は遠目にずっと彼女の方を見ていた。 友達と談笑する姿、真剣に授業を受ける姿……。どれも、昨日のあの顔とはかけ離れ...
やみのおり

幻影 1

1.困惑  僕があの娘に会ったのは、学年が上がったクラス替えの時だ。 確かにその娘は可愛かったけど、その時は一目惚れとか、そんな感情は持たなかった。 僕自身特に取り柄のない人間だったし、それからも、アタックしてみようとか、...
やみのおり

幻影 0

0.校門にて  僕はここで、あの娘を待っている。 今日こそ言おう、 『一緒に帰りませんか』……と。 放課後の今、この校門で、あの娘が出てくるのを待とう。  不思議だけど、どんなに立っていても疲れない。 暑くも...
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