いきたい~立ちション講座・概論 4 一人でしても……

光かがやく天使のしずく
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(ざー……ざー……ざー……)

「ん……んんっ……?」
翌朝。そんな音で目が覚めた。……雨、かぁ……
寝ぼけ眼で起き出す。あれ? なんだか……空気が重い……?
外の様子を見ようと、窓を開けてみた。すると……

(びゅうっ!!)

「きゃっ!」
ボクは思わずのけぞってしまった。待ちかねていたように吹き込んできたのは、ひとかたまりの雨と、どろりと重たい風。慌てて窓を閉めたけど、外で暴れ回るそれは、一瞬でボクの体の前面をしっとりと濡らしていた。

「へ……へくしゅっ!」
窓を閉めた途端に、水の冷たさが、ボクにくしゃみをさせた。思っていたより雨は冷たいみたい。ボクはシャワーを浴びに、あわててお風呂場へ駆け込んだ。

シャワーを浴びながら、ボクは考えてた。
「(あーあ……朝からひどい雨……つまんないなぁ……どこにも行けないや。でも、今日の夜は絶対帰って来るんだ。また一緒なんだ。いっぱいいっぱい、いろんなことするんだ! いろんなこと、してもらうんだ!)」

一緒にご飯食べたり
一緒にお昼寝したり
一緒にお買い物に行ったり
一緒に遊んだり
一緒に……したり……

「あ……」
思わず『そっちの方』に考えが行っちゃって、ボクは急にドキドキしだした。汗を流すために動かしていた手が、胸のあたりで止まる。
「(ちょっと……おっきくなってるかな……?)」
おっぱいをさすりながら、その理由を考えてると、よけいにドキドキしてきた。
「うふふ……して……もらうんだぁ……」
つぶやきながら、隣にある便器が目に入る。そう言えばまだ、朝のおトイレ、行ってないなぁ……。
「………………」

このまま……しちゃえ……。

「いっぱい……いっぱい……して……もらうんだぁ……」
肩のあたりからお湯を浴びながら、もう一つ、ちょっぴり違うあったかい感触が、ふとももを伝うのがわかった。ほんのり甘い匂いが、お風呂場を満たす。

はぁ……いいきもち……いい……におい……

改めておしっこを洗い流すために、シャワーをあそこに当てる。水圧を感じた瞬間……
「んあ……っ」
ちょっぴりの電気が、そこから頭までを突き抜けた。おしっこする前から感じていたドキドキは、その電気で余計に大きく膨らむ。
「んふ……あっ……はぁっ……」
良く洗い流すためにそえられていた指が、違う目的を持ち始める。あそこにより近づけたシャワーで、もっとそこを刺激して……
「う……ふあ……っ!」
声が漏れ、腰の力が抜け始めても、ボクの手は全く動きを止めない。ますます激しくあそこをさわる。
「うあぁ……んくっ……はあ……」
水ともおしっことも違う、ぬるぬるした感触。いつの間にか滑り込んでた中指が、くちゃくちゃとした音を立てる。

(じゃぁぁぁーーー……)
(くちゃ…… ちゅぴ…… にちゅ……)

「あんっ! あぁっ! はぁぁ……っ!」
親指で、上の方にある小さな突起をむき出しにする。おしっこの穴といっしょにさすると、いっそうビリビリして、膝もガクガク震える。中指と薬指も、あそこの奥深くに入っていって、ぐるぐると中をかき回している。自分で、自分の指を締め付けようとしてるのが分かる。

「はぁ……はぁっ……く……あんっ! んいっ! ひっ!」
左手のシャワーは熱いお湯を流し続け、全てを洗い流しているはずだけど、激しく動く右手が、とろとろとしたおつゆを、ボクの体の奥から、止めどなく出していく。ぐちゃ……ぐちゃ……という、粘ついた音はますます良く聞こえて、その音がさらにボクをドキドキさせた。

(ざぁぁぁーーー……)
(ぷちゅっ……くちっ……ぴちゃ……にちゃ……)

「んふっ……は……あんっ! うくっ……あっ……あっ……!!」
自分自身が出す甘い声もドキドキを加速させ、それがいっそうに手の動きを早め、もっとかき回す音が聞こえ、もっと甘い声が出て……

(ぐちゅ! ぴちゅ! ちゅぷ! くちゅ!)

「あっ! あぁんっ! いっ! いいっ!」
いつのまにかシャワーを止めて、ボクはあそこをかきまぜることに熱中してた。えっちな音が、浴室に良くひびいて……あんまりえっちで、くらくらする。

(ぷちゅ! くちゅ! ぐぷっ! ちゅぴっ!)

「ふあ……あっ! やっ! やぁんっ! あっ! はぁ……!」
やがて、ぐるぐるまわるドキドキが、一カ所に集まる感じがし始めた。ボクの右手が、うごめきながらこわばり始め、あそこ全体をわしづかみにする。じぃん……とした感覚が体を走る。そして、右手の親指が膨れ上がった突起を、人差し指がおしっこの穴をきゅっ……と押したとき……
「あっ……あっ……あーーーー……ぁっ!!!」
ぷつん、と何かがはじけるような感じがして、ボクはどっ……とバスタブにへたりこんだ。

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
気持ちよかったけど、ボクはなんだか哀しかった。一人ですることなんて、ほとんどない。いつも、必要ないぐらい、してもらうんだもの……。
ボクはしょんぼりとした気分で、お風呂場を出た。

お風呂場から出て着替えが終わっても、外の嵐はぜんぜん収まっていなかった。それどころか、ますます勢いを増してるみたい。
テレビをつけてみると、ちょうど臨時の天気予報をやっていた。
「……は勢力を保ったまま、ゆっくりとしたスピードで進み、今日の夕方上陸した後、明日の朝……」
映っている天気図を見る。詳しくは分からないけど、大きな渦が、ボクたちの住んでるあたりにかぶさってる。そっか……台風かぁ……。
ボクは「台風」という言葉と、それがどんな物かは『知って』る。でも、本物を見るのは、はじめてだった。

ごうごうと、うなりを上げる風。
かたまりになって通り過ぎていく、雨。
ばさばさと悲鳴を上げる、木。
低くたれこめた、空。
じっとりとまとわりつく、空気。

どれもこれも、あんまり気持ち良いものじゃないけれど、『自然の力』を改めて見るようで……変な話だけど、ボクはちょっぴり感心しちゃってた。

そうだよね。こんな日もあるんだよね。ボクは、気持ちを切り替えて、今日は部屋で本を読むことに決めた。

(きゅるる……)

おなかから聞こえる音。あ、そうそう。朝ご飯、食べてなかったんだ。うーん……一人だとあれこれ作る気がしないから……いいや、ジャムトーストと、牛乳にしとこう!

それからボクは、トースト皿を横目に、前にいろいろ図書館から借りてた本を読み進み始めた。

今読みかけの本は、ちょっと不思議な冒険小説。普段は何でもない会社勤めをしている主人公が、お仕事が終わってからは、凄腕の剣士になって、幼なじみの女の子と、いろんな事件を解決していくお話なんだ。
とぼけたような風でいて、優しいけれど、ほんとうは、心の中にいる『恐ろしい何か』と闘っている主人公。そんな主人公を子供の時から大好きで、命がけで追いかける相棒の女の子。事件に巻き込まれるうちに、二人の関係にも変化が現れて……

「(うーん、もどかしいなぁ……はっきり「大好き」って言っちゃえばいいのに……主人公も主人公だよ。どうして分かってて言ってあげないんだろう……)」

やきもきしながら読み進むことしばらく。物語は一応のハッピーエンドで、ボクもすっきりした。でも……続きがあるような終わり方だったけど……出て……ないよね。早く読みたいなぁ……。

つづく

 

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