幻影 0

0.校門にて

 僕はここで、あの娘を待っている。
 今日こそ言おう、
 『一緒に帰りませんか』……と。
 放課後の今、この校門で、あの娘が出てくるのを待とう。

 不思議だけど、どんなに立っていても疲れない。
 暑くも、ない。
 お腹も、減らない。
 日も、沈まない。
 でも、そんなことはどうでも良い。

 今日こそあの娘に話しかけよう。
 『一緒に帰りませんか』と……。