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入院日記(6)

 そんなこんなで、恐怖の手術から一夜。
 ……目覚めは最悪。と言うよりも、痛みで目が覚める。時間は朝の五時。
 血の混じった目やにでマブタがふさがり、ドクドクと脈打つのが判る。
 『ガマン……ガマン……』と唱え続けるも、限界。たまらずナースコール。
 すぐさま飛んで来てくれた看護婦さんの背に輝く後光を、私は確かに見た!

 宿直の先生をたたき起こし(苦笑)、臨時の診察。……んが、特に異常はなかった。安心はしたが、朝っぱらから先生に悪いことをしてしまったと、激しく後悔。

 そしてその後、寝たんだか寝てないんだかよく解らない時間が過ぎ、通常の起床時間。幾分引いたとは言え、まだ随分痛い。検温後、氷のうを取り替えて貰い、再びそいつとオトモダチ。

「はぁー……こーゆー氷のう系のよーな医療用ゴムの感覚って、久しぶりやなぁ……」



と、誤解を招きやすい思考をしてみる辺りが、いかにも私。

 その年の夏に行った九州で見た、アダルトショップに並べられている医療用具(箱で売られているイチヂク浣腸、注射式浣腸、浣腸液、床に敷くゴムマット……Etc.)を思い出す。

 そういえば、なんであれだけ品揃えが豊富で、生ゴムパンツとスパンキングパドルが無かったんだろう?(爆)<「アダ○ト21」 一度実物を見たかったのに……(滅)

(註:もちろん、私は医療プレイをしたことなど無い。昔、同じ型の氷のうが家にあっただけのことだ)

 それはさておき、午前中は手術後の検診。先生の待つ暗室へ。
 ……と思ったら、やけに白衣を着た若者がズラリ。先生が、患者の目を機械でのぞき込みながら、学生に説明している。

「(なるほど……生きた教材って訳か……さすが大学病院……)」



 診察は名ばかりで、実際は

「ハイ、この人は斜視の手術をされてますね。キレイに縫合されているのが判りますね〜」



などという講義(爆)。
 まあいい。私の体が、眼科を目指す若者の役に立てば……思うも、なんだかやっぱり、そこはかとなく情けない(苦笑)。

 その後、主治医の先生のちゃんとした術後経過の診察。その後は、いよいよリハビリの開始。やり方は簡単。要は眼球を動かす筋肉のストレッチだ。その前に、目を覆うガーゼを外さなければいけない。

 ドキドキの傷跡初対面〜!

『はうっ……ッ!』



「疲れ目で充血してるね」とか、「プールに入って水かしみたよ」なんてレベルではない、本当に真っ赤な目。そしてガーゼには血がべっとり……

 怖い! 本気で怖いぞ!(退院日、迎えに来た姉が私の右目を見て「ひいっ!」っと叫んで後ずさった程(泣))

 まさに『怪奇! 赤目男の恐怖!』だ。そして、右へ左へ目を動かすと……

「(ギニョーーール! 痛ぇ! 痛ぇってばよぉ!!)」



 意味不明の悲鳴を心で叫びながら、その「右目で一点を見つめて、眼球を左右へ動かす」リハビリを、一時間おきに十分やるように言われる。トホホ的気分だった……。
またそれとは別に、四時間毎に目の細菌を殺す抗生物質と、炎症止めのステロイドの点眼をしなければいけない。結構忙しい。

 ところでその目薬、名前が面白い。
 抗生物質の奴が『タリビット』、ステロイドのそれが『フルメトロン』

「(なんか、SFアニメに出てくる武器みたいだ……)」


 そう思ったのは私だけだろうか?(笑)

起床→点眼→リハビリ→メシ→リハビリ→点眼→メシ→リハビリ→点眼→メシ→リハビリ→点眼→就寝



 端的に言えば、その日はこうだった。しかし、目は一生もの。必死にこなしたが……。

疲れた……(泣)



 いよいよ明日は退院。この固いベッドともお別れか……と思いながら就寝。

 ふくふくとした、白いネコと戯れる夢を見る。
 そう言えば最近、動物に触ってない。願望だったんだろうか?(笑)

「(色々あったけど、それぞれが貴重な経験だったなぁ……)」



 薄い味付けのメシも、隣のオッチャンの説教も、イビキも、退屈な時間も、手術も……あんまり体験したくないこととは言え、それは「良い経験」だったと思う。

 少なくとも、ニュースに報じられる事故で、『何ヶ月の入院』という話が出た場合、その辛さは想像できるようになった。
 ……いろんな意味で(笑)。

 まだ痛む手術跡を感じながら、私は、ほっとした眠りに就いたのだった……。

−おわり−


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