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入院日記(2)

二日目

 六時頃起床。十時に寝付いて六時に起きるなんて、高校時代以来だ(おい)。寝ぼけつつも、昨日の妄想をメモ(笑)。例のごとく(?)潤一&ゆーきのいちゃいちゃネタだ。ネタ的には、番外編的な奴かなぁ……などと思いながら鉛筆を走らせる。

 一通りの洗顔等を終え、売店へ。目的はスポーツ新聞。病院内には、みんなが読める新聞置き場というのがない。テレビも、外来の待合室と、個室にしかない。最初は『なんでだ?!』と思ったが、考えてみれば、これだけの大人数だ。いくら新聞があっても足りない。テレビしかり。ゆえに、自前。で、せっかくだから、スポーツ新聞……と。

 パラパラとめくって、やはり気になるピンク記事(爆)。朝っぱらから読んでる自分って一体……まぁいいや(笑)。

 ところで、私はサンケイスポーツを読むのだが、ここのピンク記事、ちょっと前からタイトルのキャプションが変わった。

 前は、

『痛勤電車の栄養剤!』

だったのに、今は、

『読むバイアグラ』

……するってーと何かい? ここを読む人間は、みんな不能者だとでも言うのかい?!
まぁよい。シャレとして許そう。ノリ重視だ。

 そんなこんなでそこを読み、飛田新地(註:風俗街の名前。昔の遊郭)に思いを馳せる(滅)。

 八時朝飯、十二時昼飯、六時晩飯。本当は事細かにメニューをメモったのだが、手術後、挫折して不完全なため、書くのを中止(笑)。

 で、メシを喰う以外は、診察・検査の他、基本的にやることがない。

 ゆるりゆるりと過ぎていく時間。窓の外を見れば、すっきりと晴れた空。けれど、手を伸ばすことはできず、そこにはガラスが立ちふさがって……あぁ……

(不治の病で寝込む薄幸の美少女の気持ちって、こんなのかしら?)

「美」とは二十億四千万光年離れた顔で、思ってみたりする。が、実際に寝たきりの人やいろんな人が居るのは確か。茶化せない。ゆえに、慌ててその思いをうち消す。

 あぁ……それにつけても、ラジオ……いや、新聞でも良い。とにかく外部の情報が欲しい……と、切に願う。

 そんな中、ふと、隣のベッドの人と雑談になった。偶然にも同じ市内に住む人で、彫金会社を経営する六十五歳の人だ。老け込み具合等を見て、苦労人っぽいなぁ……と思っていたらその通り。大河ドラマもまっつぁおの、丁稚奉公一大奮戦記を拝聴しましたよ、ええ。シメとして、

『君が如何に甘ちゃんで、人生をナメているか』

という、ありがたーーーーいお話をとっくりと。ええ、それはもう。

 確かに。おおよそ人生自分の三倍生きてきた人の言葉だ。想像するだに辛い。で、色々身につまされることもある。

 んが!あえて言おう!

「ほっといてんか!」

 と。入院生活で、ただでさえ辛気くさい気分に、とどめを刺すようなことはせんでいただきたいものだ(ーー;)。
 ちなみに、この方のお話は多岐にわたり、

『小渕総理が如何にダメで、橋龍がどんなにすばらしいか』

と言う話を、橋本家の家系を、歴代当主が遺した名台詞を交えて遡りつつ、熱っぽく、かつ、誇らしげに語るところは、さすが本人が橋龍のご当地(岡山)出身のためか。

 そういうヘビーな話を聞いていると気が滅入るので、その後は聞き流すすべを身につける。
 そうだよオッチャン。私ゃ手術が怖いんだ。不安なのよ。心静かにいたいのよ。気持ちをくんでは……くれないのね。トホホ……(;_;)。

 しかし、このオッチャンのおかげでちょっとした目の保養ができた。
 入院中は、体温・血圧を定期的に測る。普通、測定は左腕でやるのだが、そのオッチャン、人工透析を受けている関係で、左腕に圧力が掛けられず、測定は右腕でやっているそうだ。当然、看護婦さんはベッドの右側へ。

図解:(白いマス目が、ベッドだと思って下さいな)





a







頭の位置





←マ ド    カ     ベ


 本来、「A」の位置に看護婦さんが来るわけだが、前述の理由で、看護婦さんは「a」の位置へ。そして、測定器を巻き付けるために、看護婦さんは屈む。で、私は、よく窓側を向いて、ベッドの上にあぐらをかいている。つまり……

私の目の前三十センチに、突き出された看護婦さんのお尻
……なのだ。

「むぅ……!!」

 そうそうないシチュエーションに、しばし呆然としてしまった。

 そんなこんなで、更に悶々としつつ、二日目も暮れていった……。



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