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『We wish……』(7)

7.12月24日 金曜日 風景4

「あれ? ……やっぱそうだよなあ……?」
「えっ? どしたの、潤一さん?」
 ちょっと張り込んだイタリアンをたらふく食べて……どっちが多く喰ったかは、想像に任せる……次の目的地に向かう道。いきなり足を止めて首をひねる俺に、ゆーきはさらに首を傾げる。
 俺は、目線をそのままにして、続けた。
「いや、さっきトミー達に会っただろ? あいつらの観に行ってる芝居の会場って……この辺のはずなんだが……やっぱり、ただのコイン駐車場しかないな、と思ってな」
「あっ……そうだよね、ボクもこの辺は知ってるけど、言われてみれば……」
「大方、間違えたんじゃないかね。昔っから、そそっかしかったからな、トミーの奴は」
「あははっ!」
「今頃、失敗に気付いて、どっかの飲み屋でやけ酒飲んでるかもな」
「うーん……それはちょっとかわいそうかも……」
「ま、今度電話で探り入れて、その通りだったら、うさ晴らしに飲むのつき合ってやるか」
「そだね!」
 大きくうなずくゆーき。この場合、コイツも酒の席に混ざる……ということだ。
「さ、もう行くぞ、ゆーき」
「ん……」

 答えるゆーきの声にも期待の色が混じり、しがみつく手の指にも、もどかしげな動きが加わる。
 俺達の夜……お互い、ずっとおあずけを喰らっていた夜は、もう始まっているのだ。

◆ ◆ ◆


「任務達成を祝して、乾杯!」
「かんぱーい!」
 バー『レポサド』のカウンター、帰還した二人は、マスターとともに祝杯を挙げていた。優人は、前述の通りテキーラ・アネホ。マスターは、店名通りテキーラ・レポサド。「どーもテキーラは好きになれないのよねえ……」と言う静は、バーボンのロック。簡単な顛末をマスターに説明し、それを追い払うかのように、優人は岩塩をつけた輪切りのレモンをかじって「くうーっ!」と満足げに顔をしかめてから酒をあおった。
「さすがは噂に名高い蘭宮優人さん。お見事です。では、こちらが報酬になります」
 素っ気のない茶封筒に収められた報酬を確認し、優人は「どうも」と会釈をした。
「ところで、お二方。もう夜も更けております。どうでしょう? 上の客室、お使いになりませんか? 実は一部屋、お取り置きしているのです。部屋代は、全額サービスさせていただきますよ」
「えっ……」
 マスターの言葉に、優人の顔から冷静さが一息に消える。「それって、そのぉ……」まごつく間にも、酔い以外の原因で顔が赤くなっていく。
「どうも有り難うございます! ぜひ、使わせていただきます!」
 きっぱりとそう答えたのは、目を輝かせた静だった。
「ち……ちょっと、しーちゃん……!」
「わかりました。では、どうぞごゆっくり……」
 あくまで穏やかな笑みを浮かべ、マスターは静に部屋のキーを渡した。

◆ ◆ ◆


 部屋の扉を開けたときから、俺の胸は、激しい欲望に満ち満ちていた。
 周囲に気兼ねすることのない空間で、ずっと辛抱していた事が出来る。
「こくん……」とつばを飲み込む音が聞こえたかと思ったら、それは、かたわらのゆーきが鳴らしたものだった。思いは、同じのようだ。

「いいな? ゆーき……」
「うん……」

 そうして俺達は、荷物を置いて、用意にかかった。
 背を向けたまま、上着を脱ぐ。そこで、いったん動きを止め、しばらく目を閉じ、待つ。今回は、ちょっとひねることにしたんだ。せっかくの特別な夜、普通に抱くんじゃ足りないからな。まあ、寸劇のような物をやると思ってくれ。……なんだかんだで、俺もトミーの影響を受けてるのかもな……。
 っと、そろそろだな。役に入ろうか。

「とんとん、とんとん……」
 雪の夜、ベッドでくつろぐ俺の耳に、ノックの音がした。
「誰だい? こんな雪の夜に」
 ドアノブに手を掛けながら問う声に、とてもか細いそれが答えた。
「あの……サンタです」
「サンタ? 確かに今日はイブの夜だが、俺にプレゼントでもくれるのかい?」
「……それがぁ……」
「まあ、とにかくお入り」

 扉を開けた所には、一見少年のようなサンタクロースが立っていた。
 しかし、よく見ると、顔立ちや体つきは、明らかに少女のそれだった。
「おやおや……ずいぶんかわいいサンタさんだな」
「こんばんは……」
 微笑ましくなるほどのかわいらしさだ。ひとしきり身体を眺めてから、俺は一つ、変なところに気付いた。
「でも、おかしいな。格好はそうだけど、プレゼントの入った袋を持っていないじゃないか」
 いぶかしむ俺に、サンタは申し訳なさそうに答えた。
「じつは、トナカイのそりから、落としてしまったんです……」
「そりゃあ大変だ。心当たりはあるのかい?」
「はい。このあたりに落としたと思うんですが、ご存じありませんか?」
「さあ……。うん? どうしたんだい? ずいぶん震えているようだけど」
「そのぉ……ずっと外を探していたものですから、寒くて……」
「それはいけない。中にお入り。外よりはましだよ」
「あぁ……ありがとうございます」
 そうして、俺はそのサンタを中に招き入れた。

「うっ……ううっ……」
 外の風はきちんと遮られているというのに、サンタはまだふるふると震えている。
「あれ? まだ寒いのかい?」
「はい……まだ……」
「じゃあ、これでどうかな……?」
「あっ……」
 俺は、彼女を思いきり抱きしめた。少し厚めの服の下、とても柔らかな感触がする。
「おや? 服の下には、何も着けていないのか。こんな格好じゃ、寒いのも当然だな」
「ああ……あったかい……」
「気に入ったのなら、しばらく抱いていてあげようか?」
「あったかい……でも……もっと……もっと……!」
 そう言ったかと思うと、サンタは、俺の服を脱がし始めた。
「おいおい、サンタさん……?」
 つぶやく間に、俺は服を全部脱がされ、ベッドに押し倒されてしまった。
「ああ……あったかい……」
 上着の前をはだけたサンタの胸、先端だけが硬い、柔らかな素肌の感触が押し当てられる。
「ふふふっ……こりゃあ、ずいぶんエッチなサンタさんだな……」
「えへっ……」
 俺の苦笑いに、サンタは本当に妖精然とした微笑みを返した。

「潤一さん……」
「ゆーき……」
 寸劇はあくまで導入だ。
 俺達は、ゆっくり、ゆっくりと顔を寄せ合い、唇を重ねた。

「んっ……」
 ふれあう吐息と互いの肌は、確かに少し冷たかった。その冷たささえも楽しむように繰り返される、あいさつのような軽いついばみ。やがてどちらからともなく舌が伸び、あいさつはより親密になる。
「はあっ……はっ……はふっ……」
 しゃぶりあうだ液が、寒い国から熱いところへと、どんどん国境を越えていく。俺の上、切なげに身じろぐゆーきの身体も、中からの熱を十分に発し始めていた。
「もっと……もっともっとぉ……」
 身体に残る冷たさは許さないと言わんばかりに、ゆーきは俺に頬ずりをしてくる。俺も負けじとそれに応え、よだれも何も、全部なすりつけあう。
「ぐすっ……ひっく……じゅんいち……さぁん……」
 どろどろになったゆーきの顔から、ぽつりぽつりとこぼれる雫。俺は少し驚いてしまった。そして、愛しさでいっぱいになった。分かっていながら、訊く。
「どうした?」
「ううん……なんでもないよぉ……」
 ぷるぷるとかぶりを振りながら、もぞもぞと腰が動く。その場所は、既に灼けるような熱を帯びていた。
「たくさんしような、ゆーき……」
「ん……うんっ……!!」
 その熱帯へ、手を伸ばす。ぷにりとした柔らかな丘は、既に熱い湿地と化していた。指で中の様子をうかがうと、こころよく迎えてくれる。
「んあっ……ふあぁあぁっ……!」
 指を少し踊らせてみる。ねちゃねちゃとした音がよく聞こえ、喜びの声に顔が埋まる。

 くちゃ にちゃ ねちゃ ぴちゃ……

「はあぁあぁーーーっ……!」
 様子見をやめ、本格的にゆーきの中を責め始める。くりくりとした肉芽から、膣の入り口、花びらの一つ一つまで……目で見なくても、指が覚えている。どのぐらいの強さで触れば、一番こいつが喜ぶか、そして……
「きゃふぅっ……! うっ! うふぅんっ!! んっ! んあぁーーっ!」
 一番好きなところ……尿道をくじられればどうなるか、も。
「あっ……ああっ……ひっ……ひゃああっ……!!」
 快感とは若干別の質の震えが来る。極まりかけるほどのけぞる身体に、ちょっぴり意地悪くささやく。
「さっき、いっぱいシャンパン飲んだもんな?」
「うんっ……すごくっ……でもっ……だめっ……あぁっ……じゅんいちさ……あぁぁっ!! だめっ! ボクッ! あっ! やああっ……!!」
 助けを求めてもがくゆーき。その救済方法は、決まっている。
「よっ、と……」
「きゃんっ?!」
 俺は仰向けにしたゆーきの身体を、下半身から大きく折り曲げた。
 顔の下には、じゅくじゅくと蜜をあふれさせる花弁がある。
 俺は、思い切りそれにむしゃぶりついた。
「ぁぐぅんっ……! あっ! あひっ! いいいっ! いあっ……あぁーーーっ!!!」
 じゅるじゅるじゅるじゅると蜜をねぶる。指よりももっと細やかに舌をはわせ、存分にゆーきを味わう。そして、膣の上、ぷっくりとひくつく小さな穴を……思い切り、口に含んで吸う。
「くはぁあぁあぁーーーーっ!! だめっ! あっ! で……でちゃうぅっ!! じゅんいちさ……だっ……めぇえーーーっ!!」

 じゅばっ……!

「んぐっ……!」
 俺の口の中、熱い衝撃が爆発する。凄まじく熱い、ゆーきのシャンパン。
 しょっぱい、濃厚な味は、ゆーきのものだからこそ、いくらでも、そして残らず飲める。

「はっ……はひっ……そ……そんな……すご……あぁっ……」
 放出と同時にイッてしまったんだろう。加えて、俺が飲んでしまったことに驚いたのか、ゆーきは、ぼう然と驚嘆と歓喜の入り交じったような、何とも形容しがたい顔をしていた。
「ごちそうさま」
「ふあ……やぁんっ……」
 横たわる俺の胸を、ゆーきは顔を埋めながら、ぽくぽくと叩いた。
「嬉しいなあ……。ボクにも、おすそわけ、ちょうだい?」
「おっ……」
 そう言うや、ゆーきは再び俺の唇を求めてきた。口の中に残る自分のオシッコをなめ取るように、一生懸命に舌が動く。
「ぷふぅっ……面白い味……」
「はははっ……」
「ねえ潤一さん、お風呂入ろうよ!」
「ん? そうだな……」




 ラブホテルの風呂は、広々としていていいものだ。普段の狭苦しいマンションのユニットバスとは雲泥の差。何より、一緒に入れるのがいい。

「きっきのお返しだよー……」
 背中の流しあいをしているとき、いきなり、ゆーきがそんなことを言ってきた。
「おい……?!」
 何をするのかと思えば、石けんを自分の身体に塗りたくり、それで俺の背中をこすり始めたのだ。
「はあっ……はっ……あーん……」
「あっ……」
 吸い付くような肌の感触が、ぞくぞくとして心地良い。しかも、その手は迷わず股間に伸び、口は、ぺろぺろと耳を舐めている。

 しゅり…… にゅる…… ぬる……

「むふふ……気持ち良い? 潤一さん?」
「あっ……あぁっ……」
「うれし……」
 そう言って、ゆーきはさらに自分の身体を押し当て……ねじ込むように当てられる腰には、また違う、そして新たなぬめりがあって気持ち良くて……間断なくしごかれる肉棒と、耳をはい回る小さな舌もまた良くて……
「あっ……あぁあっ……ゆ……ゆーき……」
「はーい……」
 うめく声に、ゆーきはすかさず俺の前に回り、迷い無く股間の物をくわえ込んだ。熱い口内の感覚が、俺にトドメを刺す。
「うあっ……!」
「うんっ……!」

 どくっ……!

「んー……んぐ……うむ……」
 ゆーきの喉が上下し、ごきゅごきゅと飲み下す音がする。その妖しげなかわいらしさに、俺の物は一向に萎えなかった。

「んーふふふふー……」
「ふっふっふ……」
 改めて身体を流してから、再びベッドの上。程良く暖まった裸身を座った姿勢で抱きかかえ、お互いどこか怪しげな笑みを交わす。オードブルは終わり、いよいよメイン。
「うふふふふふぅ……んぁあっ……」
 にやにやとした、ちょっとふざけたような笑みに隠してはいるが、下半身は既に始まっている。それぞれの物を手でいじりあい、ぴくぴくと身体をわななかせている。俺も、ゆーきも、お互いが欲しくて欲しくてたまらないのだ。ただ、欲しすぎてタイミングを計りかねる……そんな間が流れた。
「ふうっ……ふああっ……ねえ、いいかなぁ……?」「はっ……ああっ……いいか……?」
 なんと、互いの願いを叶えんとする言葉まで重なってしまった。
「ぷっ……アハハッ……!」「ははっ……」

 くちゅっ……

「んっ……うあぁあぁーーー……っ!」
 笑いあいながら、俺達は一つになった。

 張りつめた物で感じるゆーきの中は、まるでマグマだまりのようだ。
 焦がれる気持ちが俺を敏感にし、ゆーきの中もさらに熱くする。
「んんんんんっ! ふううんっ……!」
「いてっ……いててっ……! こら、ゆーき……!」
 ずっと待っててくれたのは嬉しいが、いきなり容赦がない。ゆっさゆっさと腰を跳ねさせ、万力のような締め上げが来る。
「んあっ! あっ! あはぁっ……!」
「こら」
「ふあ?」
 ぺちっ……と両手で顔を包み、俺は困り顔で言った。
「嬉しいのは分かるが、そんなにしたら、すぐに出ちまうよ」
「あっ……」
「もうちょっと、一緒に楽しもうぜ?」
「うー……ごめんなさい……」
 ちょっぴりしゅん……と沈むゆーき。中の締め付けが幾分緩やかになり、俺にも少し余裕が出てくる。
「ごめんね、潤一さん……。ボク、すんごく嬉しくって……その……ずっとずっとがまんしてたんだよ……一人でする事もやめて……ずっとずっと……寂しかったんだからぁ……ぐすっ……ううっ……」
「いいさ……」
 べそをかくゆーきの顔を再びくまなくキスで拭い、俺はしっかりとその身体を抱きしめた。背中をぽんぽんと叩きながら、ささやく。
「俺はここにいるよ、ゆーき。たくさん感じてくれ。たくさん、感じさせてくれ……」
「うん……!」

 ぬちゅ…… くちゅ…… ぴちゅっ……

「あんっ……ん……んふうっ……!」
 ゆっくり、ゆっくりと動く腰。存在を確かめるように、互いの目を見つめ合いながら、粘液音は続く。
「はあっ……はっ……はむっ……ん……!」
 視線を味わい、吐息を味わい、唇を味わい、舌を味わい……ずっと望んでいたからこそ、じっくりとした、そして濃厚な交わりが続いた。
「潤一さん……ボクの中でぴくぴくしてる……」
「ゆーきも……どんどん絡んでくるな……」
 胸の鼓動に言葉を乗せて、満ち足りた感情を交わす。
「いっぱい……すごくいっぱい……」
「ああ……すごく熱いな……」

 ぐちゅ ぶちゅ にちゅ きちゅ……

 うねる腰のつなぎ目、じりじりと押し上げられる快感は、絶頂まですぐそこだった。そして、ゆーきの中も。
「すごい音がするな、ゆーき」
「うん……気持ち良いもん……」
「俺もだ……だから……」
「ん……」

 じゅぷっ! ちゅぷっ! ぐちゅっ! じゅるっ……!

「はあぁっ……! じゅっ……潤一さ……あぁっ……! 好き……好きっ! 大好きっ! あぁあっ! はああーーっ!!」
「あぁっ……!」

 どぐっ……!

「はぁんっ……!」
 一番望む場所へ精を解き放つ俺と、一番欲しかった証を受け止めるゆーき。
 しかし、まだほんの一回だ。今夜は、眠るつもりはない。そして、眠らせない。