0. 独言(ヒトリゴト)
……汝(なんじ)が耳のみ聞く声は ……己(おの)が心の声と知れ ……夜伽(よとぎ)の床に口をつく ……睦言(むつごと)が如きその声に ……抗(あらが)う末は……狂気なり…… 1. 発端
……またお会いしましたね。『私』です。 再び皆さんに私のお話を聞いていただけるとあって、嬉しいような、恥ずかしいような、複雑な気持ちです。 今回は、あの出来事―私が自分の中の『アタシ』という名の願望に気づき、赤ちゃんに返ることができた日―その後の、一つの出会いをお話ししようと思います。 ……それは、ある日の体育の授業でした。 大学受験を控え、ピリピリしたムードを紛らわそうと考えているのでしょうか、その日はレクリエーションめいた内容でした。 その中に、『馬跳び競争』と言う物がありました。ご存じかとは思いますが、前屈みに躯を曲げて、『跳び馬』になり、別の人が跳び箱の要領で跳ぶ物です。それを10人ずつ位のチームに分けて、一定の距離をどれだけ速く全員跳べるか競うのです。 最初は渋々やっていても、やはりみんな一度火がつくと熱中する物です。 ……『事件』はそんなときに起きました…… 私が跳び馬になり、一番後ろの娘が跳ぶ番でした。 その娘は割と可愛いのですが、あまりクラスでも目立たない存在の子です。 と言うのも、クラスメイトとの談笑の時の顔もどこかぎこちなく、よそよそしい、厭世(えんせい)的と言ってもいい様な雰囲気を漂わせているからでしょう。加えて少し鈍めのようで、これまでも跳ぶのに随分失敗していました。 「よいしょっ!」 そんな彼女が私の背中に手を突き、跳ぶかと思った瞬間…… 「きゃっ!」 半ば予想していたとおり、彼女は跳び損ねて、馬を崩した私の背中の上で尻餅をつくような格好になりました。 しかし、その後です…… 「あっ……!」 しぼり出すような声が聞こえ、そして……生暖かい感触が、背中に伝わって来ました。私の、よく知っている…… 「まさか、この感触は!」 そう。おしっこです。その娘は跳び損ねて尻餅をついた拍子に、私の背中の上でおもらしをしたのです。 シュュュゥゥ…… 彼女からあふれるおしっこは私の背中を濡らし尽くし、グラウンドへ染みを作っていきます。 私の背中の上、永遠に続くかと思われていた奔流が止まり、私はようやく彼女の重みを認識しました。 「うっ……うあっ……ひっ……ひぐっ……」 背中越しにその娘の顔を見ると、彼女は手で顔を覆い、泣きじゃくっていました。 『カワイイ…………』 思わず、そう呟いてしまうような仕草でした。 「ホラ立って。おぶってってあげる。」 彼女の下から這い出た私は、そう言っておんぶの体勢になりました。 「え……?」 泣き止みかけたその娘は、怯えるような目でこちらを見ます。警戒を解いていない顔でした。そんな彼女に、私は、努めて冷静に言いました。 「大丈夫よ。私たちのチーム、競争がビリで、おまけに私たち一番後ろだったから誰も気づいて無いみたい」 みんなが熱中していていたのは、本当に幸いでした。 「ほら、行こう」 「う……うん……」 私は彼女を負ぶって、先生に悟られないように少し遠くから、彼女を保健室へ連れて行く旨を説明しました。勿論、腰を打ったとかの適当な口実を作って。 シャワーを浴びさせ、私の『我慢できなくなったときの為の』替えのショーツと予備のブルマーを貸して上げて、保健室へ連れていきました。汚れた彼女のショーツとブルマーは、手近なビニール袋に入れ、他人に解らないように彼女の鞄に入れておきました。 彼女をベッドに横たえ、シーツをかぶせた後、私は優しく言いました。 「安心して。私、絶対に誰にも言わないから。ゆっくり休むといいわ。ついでに、今日はこのままサボッちゃいなよ」 驚いたような顔をして、彼女は訊き返します。 「……どうして……?」 「いいの、いいの。気にしないで。じゃ、私は戻るわね。あっそうそう、汚れたショーツとか、ビニールに入れて鞄の中に入れておいたから……」 「うん……ありがとう……」 彼女を保健室へ残し、私はグラウンドへ戻りました。 歩きながら、私の中には二つの疑問が湧いていました。 『おもらしの瞬間の声、あれは快感の声ではなかったか』 そして 『保健室のベッドでの彼女の顔は、驚きの下に予感が当たった確信と喜びのような色がなかったか』 この二つでした。 ……答えは、思ったより早く出ました……。 2. 告白
そして次の日。一日の授業がもうすぐ終わるという頃のことです。 普段通り授業を聞いている私の耳に、ある声が聞こえてきました。 「……ッ……ふ……あ……つッ」 どこから聞こえてくるのかと目を巡らせると、昨日の彼女でした。私の斜め前に座っているのです。 何か必死に我慢しているような、そんな顔でした。 『どうしたの?』 そう声を掛けようとした時です。 ただ我慢しているだけかと思えた彼女の顔が、少し違うことに気づきました。 我慢はしているが、何かこっそりしている…… そう、まるで気づかれないように悪戯をする子供のような…… そこまで考えたとき、ふと、昨日の朝にもした、自分の『行為』……オムツを穿いて、学校でおもらしをする行為……を思い出しました。 「まさか……」 呟きとは裏腹に、ほぼ完全な確信を抱いて、彼女の足元を見てみました。 足を伝わる雫……。 「(……ッ!)」 私の驚く気配を察したのか、彼女はこちらを見て、『照れたような、怯えたような』、そんな笑顔を返しました。 やがてホームルームも終わり、下校する段、私は彼女の席へ行きました。 「……どうして?」 私の真剣な顔に少したじろいだ彼女でしたが、しばらくの沈黙の後、意を決したように答えました。 「今から……時間ある? 家で……お話したいの……」 彼女は、それきり俯いてしまいました。 「……いいわ」 取り立てて急ぐ用があるわけでもないので、その誘いは受けることにしました。 ……そして私は、彼女の家に行くことになったのです。 ・ ・ ・ 彼女の家は、回りより少し大きい程度の極々普通の家です。 誰も居ないとのことで、彼女と二人、部屋へ行きました。 出されたお茶を飲みながら、おたがい取っかかりを探すような、少し気まずい空気が流れました。 私もこういう空気は苦手です。どうしようかと考えあぐねていると、彼女が口を開きました。 「私……見ちゃったの。昨日の朝、教室で……してたの……」 心底驚きました。同時に、昨日の事が鮮明にフラッシュ・バックし、今更ながらですが、鏡を見なくても真っ赤になって行く自分が分かりました。 「ず……ずっと……見てたの? 私の……」 心臓が鼓動を早め、しどろもどろになりながら、私は訊ねました。 「ううん、少しだけ。最初は何か変だな、ぐらいにしか思わなかったんだけど、なんだかえっちな顔だなって思ったから……まさか、と思って訊いてみたの。」 「あっ!」 そう。私はカマをかけられたのです。 彼女は、慌てている私の顔がおかしかったのか、悪戯っぽく笑いました。 「でも……違うの。私……嬉しかったの。」 しかし、一転、消え入りそうな声で彼女は言いました。 「えっ?」 「貴女も……してたこと……」 まさか、と思う反面、やっぱり……と思いました。 「………………」 「同じだと思ったの。貴女なら、私のこと解ってくれると思ったの! 昨日、貴女の背中でしちゃった時、優しくしてくれたでしょ。嬉しかった。凄く嬉しかった! それで絶対解ってくれると思ったの! だから……だから今日……」 そこまで一気に言って、彼女は立ち上がり 「見て……」 と、スカートをめくりました。 「……!! ……おむつ……」 そう。彼女はオムツを穿いていました。しかも、私のように紙ではなく、可愛いカバーの着いた布オムツでした。 「……はぁっ…………」 見惚れたようにため息を付く自分が居て、ぼうっと躯が熱くなっていきました。 『羨ましいでしょう……』 「羨ましいわ……」 久しぶりに現れた『アタシ』と、そんな会話を心の中でしていました。 呆然としているような私を見てか見ずか、彼女は続けました。 「私……おしっこが近くって……なかなかオムツが手放せないの……」 半分は本当で、半分は嘘でしょう。本当にそれだけなら、市販の目立たない対策商品が売られているはずです。 「……それだけじゃ、ないんでしょ?」 ちょっと意地悪っぽく、私は訊き返しました。 「うん……」 そう言った瞬間、彼女は泣きそうな顔になりました。 私は、そんな顔の彼女がいとおしく思えて言いました。 「だっこしてあげる。そしたら、少しは話せるかもよ……。」 そして私は彼女を膝の上に座らせ、ぎゅっと抱きしめました。 「うっ……ううっ……うあぁぁぁーーーーんっ…………!」 彼女は泣き始めました。私は彼女の顔は見ないまま、回した手で背中を、子供を寝かしつける調子で、ぽん、ぽん、と叩きながら、彼女の泣くに任せました。 ひとしきり泣いた後、彼女は自身のことを少しずつ、語り始めました…… 3. 渇望
私は、そのままの姿勢で彼女の話を聞いてあげました。変に目線を合わせるよりも、呟きを拾ってあげるぐらいの方が話しやすいだろうと思ったからです。 「お父さんとお母さんがね……私に……すごく期待してるの。絶対良い大学へ行ってくれ、とか、資格をたくさん取れ……そしたら、いい会社に入れるからとか……」 ……大体の想像は付きました。 親が子供に期待をするのは悪いことだとは思いませんが限度があります。親本人にして見れば、子供の将来に期待し、また案じて、道を色々示してあげているつもりなのでしょうが、子供からしてみれば、『完璧な人間になれ』と言われていると思えるのです。 そして、真面目に孝行しようと思う子供ほど、応えきれないと分かった時、『切れて』しまうのです。 「あたし……色々がんばったの。でも、あたし……貴女と違ってバカだから……何にも出来なくて……悔しくて、どうしたらいいかわかんなくて……ある日、『帰りたい』って 思ったの。両親が優しくしてくれた、赤ちゃんの頃に……。それで、思い切って今まで付けてた大人用の吸水パンツじゃなくてオムツを着けてみたの。そしたら、なんだかすごく安心できて……」 躯をゆりかごのように揺らしながら、私は彼女がますます愛おしくなりました。 あぁ、この子も同じだったんだ。期待に応えるよりも何よりも、ただ、愛して欲しかったんだ。優しくして欲しかったんだ。 「あ……?!」 私は、彼女の顔をこちらへ向け、口づけをしました。軽い、優しい、でも長い…… ふっ……と唇を離した後、私は言いました。 「ありがとう。話してくれて。私は貴女に何も言える立場じゃないけど、ちょっとはすっとした?」 彼女は涙のたまった目で微笑み、答えます。 「うん……ありがとう。こんな話、今まで誰にも出来なかったから……」 「うん。でも、自分をあんまりバカバカって言わない方がいいわよ。暗示に掛かっちゃって、本当にバカになっちゃうから」 「うふふ……っ」 どちらからともなく、くすくすと笑い合いました。笑いながら私は、今度は少しからかうように言いました。 「でもそれだけじゃ、えっちなことをするようには、ならないでしょ?」 今度は彼女が顔を真っ赤にして言いました。 「うん……最初はタオルを当ててみたんだけど、そしたら……布地がアソコに当たるのが、気持ちよくって……指でいじるのとは、違って……」 私は、その話を聞いてますます布オムツを当てたくなりました。どんな感じがするんだろう、考えただけで躯が熱くなります。私は思い切って言いました。 「ねぇ、お願いがあるんだけど……私にも、布オムツ、当ててくれない……?」 「え……? ……うふっ……いいわ。出してあげる」 そう言って彼女は、部屋のタンスの一番下、鍵のついた段を開けます。 そこには、色とりどりのオムツカバーと、布オムツが入っていました。 「うわぁ……」 ドキドキしながら、付けたい柄のカバーを選びました。フリルのついた白い物です。 「着けて……くれる?」 私は興奮に震える声で言いました。 「いいよ……」 同じくトロンとした目になっている彼女が言います。 制服を脱ぎ、下着姿になります。そして……彼女の姿を見て興奮し、少し湿ったショーツを脱ぎます。 「……可愛い……」 綺麗に剃り上げた私のアソコを見て、彼女は呟きました。 改めて他人にそう言われると、いっそうドキドキする物です。 「……そこのベッドに広げるから、おしり乗せて……足、上にあげて……」 言われるとおりに姿勢を作ります。そして、パタパタとベビーパウダーがはたかれ……おむつをアソコに当てました。 ぞくっ! 紙とは違う、荒い、でも柔らかい、不思議な感触が躯を駆け抜けます。 「っはあっ!」 そんな声が思わず上がりました。 「大丈夫?」 突然の声に驚いたのか、彼女が訊きます。 「あぁ……ん……大丈夫よ。ちょっと……ビックリしちゃって……」 どんどん荒くなる息を感じながら、私の下半身は布オムツにくるまれ、カバーが被せられました。 「……うふう……」 できあがった姿は、本当に可愛い物でした。 それに、パンツタイプのものとは違う心地よい圧迫感……腰を動かすと、アソコと布がこすれてじわじわとした快感が襲ってきます。 「はあっ……ああうっ……ふうんっ…………!」 私はしばらく、オムツの上からアソコをベッドに擦りつけるのに没頭していました。 彼女は、そんな私の姿を嬉しそうに見ているのでした。 4. 充足
「私のも……替えてくれる?」 私の姿を見て興奮したのか、息遣いが荒くなった彼女が言いました。 「はぁ……はぁ……いいわ……」 思いがけぬ行為に一段落した私は、彼女をベッドに寝かせ、さっきやって貰った要領で彼女のオムツを交換しました。 そういえば、学校から今まで着替えずにいたため、彼女のオムツはカバーまで濡れています。カバーを外し、オムツを開けると、むわっと甘いおしっこの匂いがしました。ちょっと陰毛の少ないアソコも、別の蜜に濡れてキラキラと光っています。 「貴女も……可愛いわよ」 考えてみれば、他人のアソコをまじまじと見るなんて初めてのことです。 「(私のも、こういう風に見えるのかしら)」 そんなことを思っていると、無性に彼女のそこに触れたくなりました。 おそるおそる、指を当てます。 「(……熱い……)」 「ひゃんっ!?」 触られるとは思っていなかったのか、彼女が素っ頓狂な声を上げました。 私は、そんな声など意に介さぬように、彼女のアソコをいじり続けました。にちゃにちゃと、いやらしい音を立てて…… 「あんっ……や……やめ……て……」 本当にそうならば、こんなにどんどん蜜が溢れてきて、膣に入る私の指を締め付けたりはしないでしょう。私はなおも指を動かしました。 『可愛い……もっと、もっとしてあげたい!』 『アタシ』が囁きます。それは『私』も同じ。私は、彼女のソコにむしゃぶりつきました。 じゅるっ! 大きく音を立てて、蜜をすすります。 熱く、おしっこの混ざったそれは、とても美味しく思えました。 「はぐうっ!」 激しくなる私の愛撫に、彼女は悲鳴に似た声を上げます。 しかし、嘗めても嘗めても溢れるものが、嫌ではないことを証明しているようでした。 私は、舌と指を使って激しく攻めました。まるで彼女を食べてしまうかのように。 私がこんなレズの様な事をするなんて、考えられなかっ事です。でもその時は、彼女の声と、溢れる熱い蜜と、おしっこの味が、私に思い起こす余地さえ与えませんでした。 「ひっ! ひぐっ! あうぁっ! はぁっ……うあぁぁぁんっ!」 悲鳴はますます激しくなり、最後にひときわ高い声を上げ……彼女は果てました。 私は我に返り、ぐったりとしている彼女のアソコをオムツの端でふき、パウダーをはたいて、改めて新しいオムツに替えてあげました。カバーは、引き出しから、適当な花柄の物を選びました。 彼女は……失神していました。 『ちょっとやり過ぎちゃったわね』 全く悪びれず、心の中の『アタシ』が言います。 「このままだと駄目だから、寝かせよう」 と私が言うと、 『添い寝、してやれば?』と『アタシ』が答えます。 思わぬ『アタシ』の提案に、ちょっと驚きましたが、それもいいな、と思いました。 私は、彼女をきちんとベッドに寝かせ、布団をかぶせました。そして私も、隣に寝ます。 布団の中で、彼女の気が付きました。 「……あれ?」 「さっきはごめんね。いきなりあんな事しちゃって……。私、そっちの気は無いつもりなんだけど、あなたがあんまり可愛いから……」 自分でも何を言っているか分かりません。 でも彼女は、くすっと笑って言いました。 「うふっ……いいよ。貴女になら……」 どうやら、許してくれたようでした。 「ありがとう。疲れちゃったでしょ? 少し眠ろう?」 私がそう言ったとき、彼女が懇願するような目で言いました。 「うん……。もう一つ……お願いしていい?」 「なあに?」 「子守歌……唄って?」 「え? ……わかったわ。唄ってあげる。」 『ねーんねーん ころーりーよー……おこーろーりーよー……』 囁くような私の歌声に、彼女は満ち足りた笑顔を浮かべます。 「綺麗な声……」 「ありがと……」 『ぼうやーはー よいこーだー ねんねーしなー……』 「おかあ……さん……」 そんな呟きが聞こえたかと思うと、彼女はすうすうと寝息をたてていました。 私は、そんな彼女の頬に軽く口づけをし、自分もまた、満ち足りた眠りの中へ落ちて行きました……。 ・ ・ ・ 「起立! 礼!」 「さよならーっ!」 放課後。あのことがあってからも、別に私と彼女の間が特別親密になる訳ではありませんでした。 ですが時折、彼女がやってきてこっそり言うのです。 「また……いい?」 その問いに、私は笑顔で返し、その日は彼女の家に行くのです……。 5. 独言・弐
……汝独りと思うなかれ
……汝に欠けたる物あらば ……天は汝に与えたもう ……母の愛が欠けたらば ……等しき者を与えたもう ……汝己を限るなかれ ……天は全てを みそなわす…… |